その他の手術

痔疾患

痔核手術を外来(入院不要)で。痔核輪ゴム結札紮、痔核注射硬化療法、で実施。

 

痔の予防:便通を整える事が極めて大事です。便秘も下痢もどちらも肛門に負担となり、痔核、裂肛の原因になります。高繊維食(いも類、豆類、根菜類等)を多くとり、排便時にはできるだけ息まずに出す事が大事です。

痔疾患(内痔核、外痔核、裂肛、痔瘻)に関する治療

痔核(いわゆるイボ痔)

外痔核

  • 血栓除去後

    血栓除去後

痛みが主症状です。基本的に座薬や塗り薬を使います。

痛みがひどい場合には局所麻酔下に血栓を除去することがあります。

 

  1. 肛門の入口のすぐ近くに痛みを伴う青黒い血腫が見えます。
  2. 切開すると、中から黒い血液の塊が見えます。これを除去します。症状が一辺に楽になります。

内痔核

普通痛みは無く、出血が主な症状です。

 

  1. 痔核を硬化させる薬剤を痔核へ注射します。出血には極めて有効です。内痔核のある場所は痛みの神経が無いので注射の痛みはありません。
  2. 収縮力の強い輪ゴムで内痔核を縛り、痔核を自然に脱落させます。 手技による痛みはありません。
  3. 上の方法でもどうしてもコントロールできない場合や、痔核の脱出がひどい場合には手術療法となります。当院ではミリガンモルガン法と言う痔核を針糸で縛り、切除する方法で行なっています。痔核の程度のひどい例を示します。こうなると入院、手術が必要です。

 

実際の手技

痔核を注射器で吸引しその根っこに輪ゴムをかけます。痔核は自然に脱落します。痛覚のない場所なので、痛みはありません。

  • 痔核の直腸に近い根っこのところにパオスクレという硬化剤を注入します。これは痔核の組織を硬くし血管を固める効果により出血を止めます。効果はすぐに現れ、約半年間持続します。

    痔核の直腸に近い根っこのところにパオスクレという硬化剤を注入します。これは痔核の組織を硬くし血管を固める効果により出血を止めます。効果はすぐに現れ、約半年間持続します。

  • 実際の手技

    実際の手技

入院(1泊2日から3泊4日程度)を伴う痔核の外科治療

  1.  結紮切除(3泊4日程度の入院必要)
  2. 結紮のみ(1泊2日の入院必要)

ある一定以上の大きさの痔核は結紮切除が確実な治療法ですが、どうしても入院を短くしたい患者さんのために、痔核を切除せず、腰椎麻酔で充分に肛門の緊張と痛みを取った状態で、痔核に針糸をかけて縫い潰します。全く切除しませんので術後出血の心配がありません。今までに数十人の患者さんに行いましたが、満足すべき結果を得ています。ただ、あまりに巨大な痔核の場合には施術不可の場合もあります。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)

  1. 肛門周囲膿瘍の段階では、切開し排膿をします。そして創が落ち着くと痔瘻となります。
  2. 痔瘻となると、手術的に瘻管のみを切除します。現在この方法が最も確実です

 

肛門周囲膿瘍

肛門の皮膚に近い所の膿瘍は簡単に切開できますが、深いところにできた膿瘍は診断そのものも困難なことがあり、又切開も入院して腰椎麻酔下に行わねばならないことがあります。

 

痔瘻

肛門周囲膿瘍が切開され排膿されると直腸と皮下につながるトンネルができます。こうなると外科的な方法以外で治療するのは極めて困難です。当院では、トンネルだけをくり貫き、括約筋には損傷を与えない術式を行なっています。

裂肛(切れ痔)

便通を整えることが最優先です。それでも症状が続く場合には、外来で括約筋の一部切開を実施します。肛門の狭窄症状が強く外来での治療が困難な場合には、入院し裂肛の切除と括約筋の切開、肛門の拡実施します。

 

裂肛(切れ痔)も初めは自然に治りますが、だんだんひどくなると図のように肛門潰瘍となって、痛みの症状が始終続くことになります。そういう場合には、外科的に括約筋を切開して、肛門の緊張を和らげてあげるなどの処置が必要になります。

  • 裂肛1
  • 裂肛2
  • 局所麻酔下に、括約筋の一部を切開しています。これで肛門の緊張が解け、肛門が広がって排便等が楽になります。

    局所麻酔下に、括約筋の一部を切開しています。これで肛門の緊張が解け、肛門が広がって排便等が楽になります。

当院における手術の特徴と入院期間

外来手術:外痔核・内痔核(1・2)、痔瘻(1)、裂肛が適応です。
短期入院(2,3日間):肛門の痛みが強く、腰椎麻酔などが必要な場合
通常入院(約1週間):巨大な内痔核や痔瘻などを腰椎麻酔などの下で手術する場合。
手術の方法と痛み:腰椎麻酔に加えて、硬膜外麻酔を行い、術後も痛み止めを持続して投与術後の痛みを抑えます。

手術に関して

小さな創と丁寧な縫合で術後の痛みを最小に。

痔核が大きいと、そのときの見た目で患者さんもそして医師もつい大きく肛門粘膜を切除しがちです。
しかし、肛門は極めてデリケートな臓器であり、肛門にあるものが硬い便なのか、液体なのか、ガスなのかを感じる重要な器官です。したがって、肛門の粘膜の切除は必要最低限にすべきですし、当院では大きな痔核であっても、最小限の粘膜切除を行い、また、残った粘膜同士を丁寧に吸収糸を用いて縫い合わせますので痛みも軽くてすみます。

麻酔に関して

腰椎麻酔という体の半分の知覚を麻痺させる方法で行いますが、硬膜外麻酔を併用し、術後も持続的に麻酔剤を注入することで術後の痛みをほとんど感じなくすることができます。

肛門の疾患と解剖のまとめ

  • 肛門の解剖

    肛門の解剖

  1. 直腸
  2. 歯状線:直腸粘膜と皮膚との境目
  3. 肛門小窩:痔瘻の時のばい菌の侵入口となるくぼみ
  4. 肛門管上皮:痛みの神経が分布、痛覚がある
  5. 内括約筋:無意識の内に肛門を閉めている筋肉
  6. 外括約筋:意識的に肛門を閉めた時に働く筋肉
  7. 靜脈叢:直腸粘膜下の静脈が網状に集まったところ
  • 肛門の解剖2
  1. 内痔核
  2. 外痔核
  3. 脱肛
  1. 痔瘻
  2. 肛門周囲膿瘍
  3. 裂肛