Q&A

わきがについて

Q湿った耳垢の人は、わきが・腋臭症になりやすいのでしょうか。

耳垢(ミミアカ)がべたつく人全員が、わきが・腋臭症になる訳ではありませんが、その7割くらいに、わきが・腋臭症があると言われています。外耳道にもアポクリン腺と同じような汗腺があり、脇の下のアポクリン腺が発達している人は、外耳道の汗腺も発達していることが多いためです。逆に腋臭症の患者の約9割は耳垢がべたついているとの事です。

Qわきが・腋臭症の原因は脇の下の汗が多いからでしょうか。

確かに、わきが・腋臭症を訴えて来院される方は多汗症も合併していることが多いようです。でもそうでない例もあります。腋臭の原因としては汗の量よりやはりその性質、アポクリン汗腺からの分泌か否かが大きいようです。いわゆる汗臭いと腋臭は全く別の種類のものと考えられます。

Q診断法を教えてください。

診断には患者さんの訴えがもっとも重要です。シャツに洗濯してもとれない汗じみ(色のついた)ができる人はアポクリン腺がかなり発達していると考えられます。臭いに関しては、実は自分では客観的に評価できませんので、家族などに尋ねてみたほうがよいでしょう。耳垢がベタベタするのも腋臭症の傍証になります。ただ外来で実際に臭いを嗅いで見ると、たいしたことは無いなと思うこともしばしばで、必要以上に神経質になられていることもあります。ご両親、ご兄弟などに同じような症状の人がいるかどうか、そして親族の方が実際に匂うとおっしゃるかどうかなどが目安となるでしょう。

Q就職してから急に脇の下の汗が増えたのですが。

就職や進学などの社会環境の変化に伴って腋臭症を自覚するようになる方も確かにいらっしゃるようです。基本的には脇の下のアポクリン腺は思春期に発達し、20歳を過ぎてから増えることはないと思います。ただアポクリン汗腺は交感神経に支配されていますので、仕事のストレスなどで交感神経が興奮すると、アポクリン腺の活動が活発になることがあります。元々軽度の腋臭症があった場合、それが顕在化し、以前は感じなかった脇の下の汗が急に気になりだす、といった可能性は十分考えられます。

Qわきが・腋臭症の症状は何時頃から始まることが多いのでしょうか。

外来を受診した患者さんに、何時頃から脇の下の汗や臭いが気になりはじめたかを聞いてみました。単純に年齢で腋臭が気になりはじめた年頃としては、一番多かったのが中学生の頃からと答えた方で、次は高校生になってからと答えた方、そして、小学生の頃から気になっていたという方もいました。20歳頃と答えた方もいました。

年齢以外のきっかけとしては、就職してからと答えた方がいました。出産、卵巣の手術後に腋臭症になったと答えた方もいました。ホルモンのバランスの変化が腋臭症の発現のきっかけになったのかもしれません。

その外には30歳すぎ、あるいは40歳を過ぎてから気になりはじめたという方もいました。普通はその頃になって腋臭症が始まるとは考えずらいので、多分それまでは気にしていなかっただけなのだと思います。ところがある時、誰かに体臭を指摘されたことなどをきっかけにして、急に体臭を強く自覚するようになったのではないかと推測されます。

Qわきが・腋臭症は手術しないと一生治らないのでしょうか。

基本的には体質ですので、一生変わらないはずです。でもアポクリン腺も年齢とともに老化して、だんだん汗の分泌量が減っていくようです。